コラム
屋根瓦の仕組みを理解して理想の屋根を実現しよう!
「瓦屋根って、どんな構造になってるの。」
「リフォームを考えているんだけど、瓦屋根ってどうなの。」
これらの疑問に答えるために、この記事では、瓦屋根の構造や仕組みを分かりやすく解説していきます。
瓦屋根の構造を理解することで、理想の屋根を実現するための判断材料になるはずです。
□瓦屋根の構造
瓦屋根は、古来より日本の伝統的な屋根として親しまれてきました。
その魅力は、耐久性や耐火性、そして美観にあります。
しかし、瓦屋根の構造や仕組みを理解している人は多くないのではないでしょうか。
瓦屋根を構成する主な部位は、以下の5つです。
1:垂木
垂木は、母屋の頂上に水平に渡された棟木(むなぎ)から、屋根の傾斜に沿って下へ垂らすように取り付けられている部材です。
一般的には45.5cm間隔で何本も横並びに設置されますが、強度を高めるために30.3cmなどの短い間隔で取り付けられているケースもあります。
瓦屋根の場合、スレートや金属屋根よりも重いので、幅6.0cm、高さ7.5cmの垂木が用いられるのが一般的です。
軒の出が長い場合は、幅6.0cm、高さ9.0~10.5cmと、更に厚みを増した垂木が使用されます。
垂木は、屋根面の重さを支える重要な部材で、家全体の強度を上げる働きも担っています。
2:野地板
野地板は、垂木の上に設置する板状の部材です。
厚さは9mm〜15mmが一般的ですが、重い屋根材や太陽光パネルを載せる場合は、12mm以上の厚みのものが用いられることが多いです。
大きさは、縦が90mm〜180mm、横が1820mm〜2000mmの構造用合板、杉バラ板、耐火野地板などがあります。
垂木に固定して平な面を提供し、防水紙や屋根材を設置する土台となる部分です。
また、防水紙や屋根材に不具合が発生した場合は、屋根の表面に近い野地板が雨漏りの被害を受けやすくなります。
野地板は目視で状態を確認することはできず、耐用年数は20〜30年程度です。
そのため、葺き替えや葺き直しのタイミングで、野地板のメンテナンスをするようにしましょう。
3:防水紙
防水紙は、ルーフィングとも呼ばれ、野地板の上に設置するシート状の部材です。
防水紙は、屋根からの雨漏りを防ぐ最も重要な役割を担っています。
例えば、屋根材のズレや破損があっても、防水紙の機能に問題がなければ雨漏りの発生確率は低くなります。
そのため、雨漏りが発生している場合は、防水紙が傷んでいる可能性が高くなります。
防水紙の種類は様々で、それぞれ耐用年数が異なります。
一般的に10〜50年程度と言われています。
4:屋根材
屋根材は、瓦屋根の外観を決定する重要な要素です。
瓦の種類は、粘土瓦、セメント瓦、陶器瓦などがあります。
粘土瓦は、伝統的な瓦で、耐久性や耐火性に優れています。
セメント瓦は、粘土瓦よりも安価で、軽量なことが特徴です。
陶器瓦は、高級感のある瓦で、耐久性や耐候性に優れています。
5:棟
棟は、屋根の頂上部分に設置される部材です。
棟は、瓦屋根の構造を支え、雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。
棟瓦と呼ばれる瓦が、棟木と呼ばれる木材の上に並べられ、棟板と呼ばれる板で固定されます。
棟板は、棟瓦を固定するだけでなく、棟木の腐食を防ぐ役割も担っています。
□瓦屋根の修理・リフォームの注意点
瓦屋根の修理やリフォームを検討する際には、いくつか注意しておきたい点があります。
1:DIYは危険!専門会社に依頼しよう
まず、屋根の修理はDIYで行わないようにしましょう。
屋根は、住宅の中でも専門性の高い作業が必要な箇所です。
必要な部分を壊したり傷つけたりしてしまうと、雨漏りを引き起こし、状態が悪化する可能性があります。
プロであれば部分補修工事で済んだのに、素人が触ったせいで屋根全体を葺き替えなければならなくなった、という悲劇が起こらないように、くれぐれも注意が必要です。
2:メンテナンス箇所・方法に合わせた専門家を選ぼう
瓦屋根の修理は、メンテナンス箇所やメンテナンス方法によって依頼会社が異なります。
例えば、状況に合わせて以下の会社に依頼することになります。
・屋根の色の塗装をしたいときは、塗装専門会社
・雨漏りが発生した場合は、雨漏り補修・防水の会社
・屋根の構造から修理する場合は、大工さん
屋根のどの部分を修理したいかを決めたら、ネットで検索するなどして専門会社を探しましょう。
少し値段が高くなりますが、屋根の構造から雨漏り補修、色の塗装など屋根に関わる補修を一括で引き受けているリフォーム会社もあるのでおすすめです。
□まとめ
この記事では、瓦屋根の構造や仕組み、修理・リフォームの注意点について解説しました。
瓦屋根は、耐久性や耐火性、そして美観に優れた屋根です。
しかし、構造や仕組みを理解していないと、適切なメンテナンスやリフォームを行うことができません。
この記事を参考にして、瓦屋根の知識を深め、理想の屋根を実現してください。